本日は札幌でシマノのテクニカルセミナー(販売店向け技術講習会)が有り講習を受けてきました。
シマノでは年に2回各地でセミナーが有り、販売店(特にスポーツサイクル専門店)は最新の技術と製品の取り扱いを学ぶために参加いたします。
今回はE-Bikeと呼ばれるスポーツサイクル用の電動アシストシステムのSTEPSが中心でした。
セミナーの内容は製品の紹介と取り扱い(組み付け調整など)ですが、業界向けの説明のため公開は出来なく紹介はいたしません。
ですが、シマノセミナーの後に、E-Bikeの販売を開始したミヤタサイクルから同社の製品を紹介するセミナーが有りましたので、その特徴を紹介いたします。
E-Bike電動アシストと聞くと、一般車(いわゆるママチャリ)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
身体を鍛えて健康になるためのスポーツで自転車に乗るのに、電動アシストは必要ないという考えかたも有ります。
しかしながら、E-Bikeが普及している欧米では高齢になったり、病気で身体が弱った、サイクリングに慣れている人が普段乗り慣れていない人と一緒に走るなどの理由で、非常に人気が出てきています。
70年代前後にツール・ド・フランスの連覇を始め、数々のロードレースで常勝を誇ったかのエディ・メルクスさんも、高齢になって今はE-Bikeを乗り回しているそうですよ。
また、シマノのE-BikeシステムであるSTEPSは、従来の電動アシストよりも高出力、大容量バッテリーなどで、きつい上り坂や長距離に対応しています。さらに、これまで構造上(バッテリーがシートチューブ後部に有った)リアの長さを解消して軽快に走ることの出来る仕様になっています。
これまでの電動アシスト自転車の出力は一般車で街乗りをするために時速24kmまでのリミットで充分なパワーで設定されていましたが、シマノSTEPSはスポーツサイクル用できつい上り坂でも対応出来るよう(アシスト比率とリミットは同じですが)250Wと高出力です。250Wとは例えばレースの初級〜中級レベルのライダーのFTP値(20分間維持できる出力)とほぼ同じくらいです。
今回紹介するミヤタサイクルのE-bikeはそのような特徴を活かした製品で2種類展開されています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<CRUISE>
税別価格:269,000円
700cのオンロード用タイヤを履いたクロスバイクタイプです。
E-Bikeシステムには高出力のE8000シリーズ(ノーマルはE6000シリーズ)を採用し、きつい上り坂にも対応しています。
バッテリーはノーマルタイプのE6010ですが、
走行可能距離は、ECOモード115km/NORMALモード106km/HIGHモード78km
とクロスバイクとしては充分な距離を走ることが出来ます。
ドライブトレイン(ギアシステム)にはALIVIO9速でクロスバイクとしては標準的な仕様で安心して乗ることが出来ます。
さらに、ブレーキにはシマノDEORE油圧ディスクブレーキを採用し、確実で安定した制動を確保しています。
ミヤタサイクルの社員による試走では、きつい坂を含む箱根付近での100kmほどのサイクリングでも充分走りきることが出来たそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<RIDGE-RUNNER>
税別価格:369,000円
27.5×2.8の27.5プラスタイヤを履いたMTBタイプです。
RIDGE-RUNNERと聞いて古くからのMTBライダーは往年の名車を思い浮かべるのではないでしょうか。
MTB草創期にミヤタサイクルが送り出したMTBの中でも、グレッグ・ヘルボルト選手を始め世界のトップライダーが使用したモデルです!
E-Bikeシステムには高性能なE-8000シリーズ、
バッテリーも大容量のE8010を採用しています。
走行可能距離は、ECOモード140km/NORMALモード130km/HIGHモード95km
ドライブトレインはシマノDEOREの10速、
ブレーキはシマノDEORE油圧DISC、
フロントサスペンションはSR-SUNTOUR RAIDON34で
トレイルライドに最適化されたモデルです。
ドライブユニット部
駆動モーターも前方に配置されており、リアセンター(チェーンステー長)440mmと通常のMTBとほぼ同じです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここで、ロードバイクのE-Bikeが無いのが不思議に思われるかたもいらっしゃるのでは無いでしょうか。
E-Bikeとはいえ、電動アシスト自転車ですので、日本の法令では時速24kmになるとアシストが切れるようになっています。
アシスト比率も時速10kmまでは1:2(人力1に電動2)で、その後徐々にアシストが減っていき、最終的には24kmで切れます。
そのため、比較的速度の早いロードではアシストを受けてもその恩恵が少ないのです。
比較的ゆっくり、のんびり走ることの多いクロスバイク、
トレイルやオフロードを走るMTBは時速20kmも出れば充分といえますので、まさにE-Bikeがうってつけなのです。
しかもMTBではきつい上り坂も有りますので、上り坂は電動アシストの力を借りて登り、下りを楽しんだり、普段見ることのできない自然の景色を楽しむという方法も有ります!
PAZではミヤタサイクルのE-BikeをクロスバイクとMTBの2車種、
春から試乗用とレンタサイクルで導入しますので乗ってみることも出来ますよ!
レンタサイクルで、普段サイクリングをしていない奥さまや彼女さんと一緒にサイクリングを楽しむということもできます。